ロマンスの途中(Juice=Juice)

名曲だと思う。
面白くて、可愛くて、カッコよくて、クール、そして何よりも楽しい。

特に気に入っているのは、生音っぽい音作りで、しかもブラスが強烈に効いていること。最近のハロプロ各グループとは一線を引く曲作りになっているのが大変興味深い。

歌詞も凝っていて、「『愛してるわ』と言え!」と「I still love you! yeah」で語呂を合わせていたり、「ジェラシー / のない /恋つまんない」の歌割の妙とか、「掴もうぜ ロマンスよ永遠」がドラゴンボールっぽいのは、わかっていてわざとやってるだろうとか、MVも含めて楽しませるためのフックが多い。

ただ、歌に関しては、ちょっと微妙かなと思うところがある。曲に声が負けているというか、まだ歌いこなせてないところがあるというか。顕著なのは、リズムが細かくて早口で歌わなければならないところで、「所有欲も愛のひとつ」とか「笑いくらいあるんでしょうね」といった箇所では、いまいち舌が回っていない感がある。特に、後者は本作で一番しゃれている言い回しなので、もうちょっと頑張ってほしかった*1

ただ、この曲はメジャーデビュー第一作目ということで、長いスパンで歌われていくことになるだろう。それこそ、5周年・10周年といった折々の場で披露されることになるはずだ。そんな都度都度で、彼女らは必ずや、今よりずっと洗練した歌いっぷりを魅せてくれるはずだ。今のJuice=Juice魅力というよりも、これからの成長振りを可視化できる曲として、本作は作られたのではないだろうか。


ただ、ぱっと見た感じだと、Juice=Juice自体、既にそれなりの完成度があるように見えて(特にビジュアル)、中・長期的に伸びていくという感じがあんまりしない。これから順調に売れていくと、2年後にはそれなりの高位置にいるような気がするんだけど、そこから先はどうなるんだろうか。

*1:字幕込みのMVだとあまり目立たないのだが、CDで聴いていると滑舌が気になってくる