店側の制限事項は、店が自己申告すべきだ

乙武氏とイタリア飲食店とのいざこざについて書かれた以下のブログが話題なっている

http://okayasu.hatenablog.jp/entry/2013/05/19/162555

このブログでは

これはあくまで想像なのだが、今回の乙武さんのクレーム発言の裏には、「障害者への侮辱」という心証に加えて、「言わなくても察してくれる」という「著名人としての扱いを受けられなかった」ことへの憤慨も多少は含まれているのではないだろうか。

といった妄想を前提としており、それだけで自分としては全く承服できかねる内容なのだが、もう一点気になる箇所がある。

予約者が車椅子であることを自己申告するのが自明としていることだ。

乙武さんはなぜ予約時にひとこと「車椅子で来店します」と伝えなかったのか。

これは逆ではないのか。そもそも店側が車椅子を搬入できない状態にあるのならば、予約時に車椅子を使う人がいるかどうかを店側が確認すべきだったのではないか。
店主は乙武氏にホームページに書いてあるから云々と言ったとのことなので、こうした問題は把握していたのだろう。にも関わらず、店側は予約した客になんの確認もとらなかったということになる。

現代において、バリアフリーは基本であり、また、お年寄りをはじめ、車椅子を使う人たちは一定数いる。さらに、飲食をする場合、普通は座って行うわけで、車椅子で問題になることが通常ないはずだ、と思うのは自然なことだろう(実際、乙武氏もこうしたことは今回が初めてだったようだし)。自己申告すればよいかもしれないが、本来は店側が事前に聞くのが正しいやり方であり、車椅子の来客を断る店はすべてそうすべきだ。

乳幼児の件だってそうで、本来は親が子供を連れてくるのはごく普通のことで、それを断るなら店側で事前に聞くべきだ。予約という手続きを客がとった場合、店側で自らの制限事項を客に伝えるのは当然の責務だろう(契約ってそういうものじゃないの?)。

なお、上記のブログや他のひとたちの反応をみると、乙武氏のフォロワーの多さを云々しているようだ、しかし、フォロワーの影響云々よりも、乙武氏が来店する前に、同じ目にあったであろう無名の人たちに思いをはせるべきではないか? あるいは、彼が声をあげなければ、車椅子に乗ったあなたやあなたの父母や祖父母が同じ目にあったかもしれないということに思いをはせるべきではないか。